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タイ焼き 焼きタイ

俳優の渡 哲也さんの趣味のひとつが焚き火というのは、とても有名な話です。 

 

なるほど、しみる煙に目を瞬かせつつもパチパチ揺らぐまばゆい炎の中に、原始への郷愁・心の平静を感じという意味ではわからなくない部分ではあります。燃えた枯れ葉の下から、焼けた芋を掘り起こしアツアツを頬張るのも、形容し難い冬の醍醐味たる二次的満足感もあるでしょう。 

 

実のところ、わたしにもそれに匹敵するような類似点があります。 

 

それは、単なる冷たい鉄の箱から、まるで命を得るように徐々に紅く熱くなるオーブンの中で、甘味の代表タイヤキがカリカリに焼かれていく様を耐熱ガラス越しに鑑賞していると、なぜかワクワクし気分が高揚してきます、

 

緩い時間の中にいささかなにかしらの心地よさの存在を感じ得ます。やはり寒く厳しい冬には、ともすれば"禅"にも通じそうなこのような達観的境地はあるのかと? 

 

自ら食せずとも、焼かれほどよく焦げてゆく行程を観ることで満足することもできないではありませんが、やはり食べてこそのタイヤキでしょう。 

 

なんといっても、食す時のポイントは、カリカリの生地感にアリ。 

 

この"カリカリ感"が重要です。わたしの個人的主観ではいわゆるタイヤキ屋さんの店頭で、どこかまだ"フンワリ感"の残るタイヤキを、いざその場で勢いに乗り一気に、食するより一旦持ち帰り一度冷蔵庫に納め(カレーやチャーハンの如く)クールに一晩寝かせたタイヤキを、翌日オーブンで再度10分ほど焼きを入れ直し殊更に水分を絞りきったモノの方が、味覚的にも生地には絶妙な深み、餡にはコクが加わると信じて止みません。 

 

いささか、ディープだったでしょうか?  

異を唱える方も、もちろんいらっしゃるでしょうねぇ~。