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MATRIX REVOLUTIONS

撃って、撃って、撃ちまくる、いわゆるガン・アクションが好きでない人には退屈でしょう。

逆にその意味では私には、この映画は性に合っていました。

どこかエヴァンゲリオンの「決戦、新第三東京市」を彷彿させ、なんだか奇妙な感覚にとらわれますが。(というか、そのままか?)

マシンシティなどは、ナウシカの"腐海"ですかぁ~っ!? 探し出したら、キリがない感じ?

それだけ、日本アニメの影響の絶大さが見え隠れする気もして、ハリウッド映画も日本アニメに対しては畏怖の念があるのではないでしょうか?

 

本作では、何よりミフネ船長の勇壮さが好きですね。

ウザったそうにガキ扱いされていたキッドが、思わぬ見せ場をもらい大活躍する様にはある種の小気味よさを覚えました。

 

前半は、例によって理屈の辻褄合わせ的で何の斬新さも感じ得ないパートで残念ですが、中盤からの壮大なザイオンでのAPUとセンティネルとの決戦の圧倒的ビジョンには、正直"凄い"と素直に賞賛を差し上げたいと思います。削岩機の重厚な質量を表現し切れているVFX技術の高さにも、感嘆させられます。

ウォシャウスキー兄弟監督にとってはグローリアとアリーヤの不慮の事故で、当初思い描いていた構想とは違った筋書きになってしまった事も誠に残念な結果でしたね。

しかしながら、救世主の人類存続の為の最期の闘いが、スーパーマン+カンフー格闘(ドラゴンボール?)による決着によるというのも、いささか安易で稚拙かつ原始的過ぎ"興醒め感"も否定できません。それを絵にしきってしまう力量には感心しますが。

とはいえ、それでもNEOの結末には、感慨深いものを感じ得ましたが。それとてもシリーズなればこその長い歳月をかけた観賞期間のエンディングに対する感傷ゆえでしょう。でも、この映画の意味するところの"解放"という状況が、私には理解し得ませんでしたね。

 

結論づければ、THE MATRIXとMATRIX RELOADED+MATRIX REVOLUTIONSとは、何となく"別な映画"の様な違和感は残りました。

 

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2003年度作品    ★★★ [最高は五つ]

監督 THE WACHOWSKI BROTHERS  配給 WANER BROS.PICTURES