前作の成功を受けて大予算を組めたという訳でもなかったらしいALIEN2。
しかし、映画は、素晴らしく成功したといえるでしょうね。
キャメロン監督は、映画ゆえのスクリーンサイズの生かし方に巧みで、非常に映画本来の面白みというものを熟知した監督だと思います。
同時に、彼は観賞料に支払った金以上のものは、必ず見せるという最近では数少ない監督の一人だと思います。
キメの細かさは、前作ほどにない気がしますが、骨太という意味合いでは作品にも適合していると言えるでしょう。
混乱の様相や雰囲気を煽り立てていく連続的な演出は見事で、リドリー・スコット監督の演出したドキドキハラハラ感とは、異質のものである事に価値があると思います。
この2でリプリー中尉は、ALIENと運命的に対峙し意図せずとも自ら戦闘する羽目にさえおちいるのですが、圧巻は、やはり、ALIEN QUEENの存在でしょう! QUEENのDesignにも度肝を抜かれましたね。女王の女王たる貫禄十分!
リプリー中尉との女同士(宿命のライバル同士)、そして互いの母性と母性を賭けた女の意地のぶつかり合いでもあり凄まじい戦いは必定でしょうし、ALIENと人類との一歩も譲れない"種"の存亡を賭けた戦争になる事も又、必定でしょう。
CLIMAXのALIEN QUEENとの対決では、本職の海兵隊員も顔負けの超人的戦闘能力を発揮してます。 (どうみても、ランボーより圧倒的に強い! )とりわけ火炎放射器の炎は、CGの様には見えませんが、結構危険な撮影ではなかったのではないでしょうか?
撃って、撃って、撃ちまくるバトルアクション場面は、痛快ですし、決着に至り運搬作業用のロボットを用いての、一対一の対決シーンは脚本の巧みさを感じざるを得ませんでした。
ランス・ヘンリクセンが、この映画にいいリズムを与えるポインター的な役割を器用に演じきっています。
後々のシリーズにも、影響を与える独特で伏線的なキャラクターですが、この配役が一連のシリーズに与えた影響も又、多大ですね。是非とも、いてほしいキャラだと思えます。海兵隊員もひとりひとり、個性を発揮し、いい持ち味をそれぞれ発揮しています。
それにしても、あれだけの危険な生命体を目の当たりにしても、利益や金算用をする人間の方が怪物よりも恐ろしい存在に違いないですね。
しかし、ことごとく放電が好きな監督ですね。それに、彼の作品はいつも、AMERICANという感じですね。もちろん、彼の場合は、そうあって欲しいと思います。
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
1986年度作品 ★★★★★ [最高は★五つ]
監督 JAMES CAMERON 配給 20世紀FOX