昔の方が予算組めていたのでしょうか?
そう思わせるくらい、冒頭からセットや模型の緻密さに驚かされる。
無限の宇宙空間の静寂さの中に、一気に観客を引きずり込むリドリー・スコット監督のその演出の巧みさも見事である。
セットを巨大に、見せんがため、ノストロモ号の乗組員に子供を起用したエピソードは、あまりにも有名な話ですが、それにしても何度観てもよくできていますね。
25年近く、経ってチャチに見えないのは、驚愕に値する事でしょう。工夫がこの映画を支えている点も見逃せない。
エイリアンの幼生の登場の仕方も今もって衝撃的だ。はじめて、成体が天井からスルリと降りてくる絶妙な間の取り方、その生物感が印象に深い。
ジョーンズ役の猫の演技も恐怖を煽る演出に一役かっていますし何かしら記憶に引っ掛かり見事なものですね。俗にいう動物タレントなのでしょうか?
最後の決死の脱出劇も、緊迫感に満ちて、スリリングだ。ハラハラドキドキ感は、結末さえ理解していても消失してしまう事がない。
生き残る事は、果たしてかなうのか? リプリー中尉と共に、お星様に願ってしまう。
H.R,GIGERの突出したデザインが秀逸なのは語るまでもないが、設定デザイン等のクオリティーも高水準であるのも事実であろう。
いささかハッタリじみてもいるが、そのコンセプトデザインが観客達に大受けしたといって、過言ではないでしょう。
この映画の醸し出す"実体感"が好きである。
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1979年度作品 ★★★★★ [最高は★五つ]
監督 RIDLEY SCOTT 配給 20世紀FOX