
予算なくとも、あれだけの傑作映画を世に輩出した俺様だ、
予算さえ貰えりゃあ、ざっとこんなもんよとTERMINATORを超える更なる傑作続編を創り出して見せたジェームズ・キャメロン監督。
大予算があっても、ショボイ駄作の映画を送り出してしまう一連の監督達にツメのアカを煎じて飲ませたい。
スケールは更にUP。後の人類を導くジョン・コナーの少年時代に再び、スカイネットは新たなるターミネーターT-1000を送り込みジョンの抹殺を計る。
サラ・コナーもかって自らの命を狙ったターミネーターと同型のT-800を味方に、今度はともに人類の存亡を賭けてこれを向かい撃つ。相も変わらず、脚本は冴えている。
スピーディーなダレのないテンポも前作以上に健在である。カメラワークもなかなか秀逸である。
映画そのものの見どころも満載である。
劇中でのアクション・シーンはヒートアップし、CGとの融合もいい感じに仕上がり大げさすぎず違和感を最小限に抑えた演出がなされていると思う。
水路でのジョン、T-1000、T-800の三つ巴の追走劇もスリリングだ。<トラクターが下に突進し落ちるところを呆然とバイクで立ち止まるジョンとのシーンは合成なのであろうか?>
サイバーダイン社での警察官達との死傷者を出さぬ銃撃戦での包囲網突破は、映画のひとつの記録ではなかろうか?<ガトリング・ガンの連射は個人的に好きなシーンである。>
ハイウェイから工場に突っ込むまでのT-800とT-1000の攻防にも、思わず身をのりだしてしまう。<前作の焼き直しとも思えるにもかかわらず。>
物語の内容も深く濃くいささか考えさせられるものになっている。
シュワルツェネッガー演じるT-800は、前作の無表情なTERMINATORの時と違いジョンとの交流をえて人のなんたるかを学び、感情の一端を時節のぞかせる程の進化をみせる。
殺伐とした戦闘劇のあいまに、ジョンとT-800の絆じみたものが形成されてゆく筋書きは、なかなかファンタスティックだ。
ジョン・コナーを演じたエドワード・ファーロングも巧みで達者な演技をみせる。チンケな不良少年が、やがては人類の救世主たるリーダーに成長してゆくのも皮肉且つ痛快だ。
少年の成長の物語としても見せ場がある。シュワルツェネッガーも捨て身のガード役に徹したアクションはいわずともがな繊細な演技にさえも磨きがかかっている。
ロバート・パトリック演じる変幻自在のT-1000も独創的でかっこうの敵役であったろう。だからこそ、この映画の均衡がいいバランスで取れたのだと思う。
しかし、なぜT-1000はあくまで警察官を装ったのであろうか?単なるコスプレ好きだったのであろうか?
面白くて金の取れる映画とは、例えばコレかといえる快作且つ傑作映画のひとつでしょう。
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1991年度作品 ★★★★★ [最高は★五つ]
監督 JAMES CAMERON 配給 20世紀FOX