
クモに予知能力があるかは、知らないけれど。
クモのジャンプ力や糸を駆使して捕獲や空中遊泳をするその能力はAMAZINGである。
数あるアメリカン・コミックの中で悩めるスーパーヒーロー"スパイダーマン"が一番好きである。
"メガヒット"を記録との触れ込みに期待は無限大であったが、みごと期待は裏切られ、特に前半から中盤まで退屈でしたね。
プロローグは必要無駄というのはアリかも知れないが、長すぎるのはダレでしょう。
敵役グリーン・ゴブリンを演じるウイレアム・デュフオーは個人的に好きな役者であり、鍛えた肉体的演技は見事で感心しました。
ただ、フォルムのデザインが悪いという訳ではないのだが、グリーン・ゴブリンのコスチュームがいかにも"かぶり物っぽく"工夫がないのはいただけなかった。
そもそも、この物語の焦点が何なのか? 述べたい主張が理解できなかった。
ピーター・パーカーの冴えないイカサナイ滑稽さから、一転スーパーな能力を身につけた格好いいヒーローぶりとの落差、コントラストを描きたかったのか?
なんか謎である?
もし、そのテーマが、映画の中での説教だとすると私としては好ましくない。
日常には否が応でも思慮しなければならない事は山ほどあり、映画の中でまでこれについて考えなさいと押しつけられるのはまっぴらなのである。
しかも、お金を払ってまで。
映画は、考えさせるのではなく、感じさせるべきなのだ。
観賞した人が個々に思いを馳せ、個々の解釈をするからこそ映画の素晴らしさがあり、自由がある。
こうであるという考えの押しつけには我慢ならない。
CGアクションこそが"みどころ"だとするなら、なるほど、スパイダーマンを映像化するにはこのタイミングが最適だったのかもとの妥当性には相槌が打てなくもないが。
それだけだなぁとも思えてしまう。何かどこか中途半端で、ノリきれない未消化な映画だと思う。
しかし<AMAZING SPIDERMAN>を名乗らせたのは、プロレスのリングアナウンサーだったのですね。知りませんでした?
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2002年度作品 ★★★ [最高は★五つ]
監督 SAM RAIMI 配給 COLUMBIA PICTURES