KING KONGの一連の映画は、旧作の初期の1933年作品とジョン・ギラーミン監督製作のと観ています(タワーリングインフェルノの栄光も台無しになってしまう程、"KING KONG2"は酷かった。)が正直、今作が一番の出来と個人的には思います。
しかしながら、実に微妙な映画です。凄い映画とは思いますが.....。
時代は、1930年代アメリカニューヨーク当時の雰囲気を漂わせ、監督の並々ならぬ力量を推し量ることができます。
冒頭を退屈と見過ごしてしまうのも禁物かとは思いますが、髑髏島到着までの経緯がやっぱり長いのは"お約束"でしょうかね?
内容では、とりわけナオミ・ワッツの大健闘の好演がヒカリました。
単なる美女だけでない嫌みのないコケティッシュな演技には拍手を送りたいです。
歴代ともにヒロイン=アンとコングの感情の細やかな交流が焦点なワケですが、心情的にもよく描かれていたと思います。流れる音楽も素敵でしたね。
CGとの合成でさえ、そのやりとりに不自然さをそうも感じ得なかったですね。素晴らしい出来映えで臨場感があったと思います。
アクションとしても、3匹のティラノザウルスとキングコングの死闘は必見でしょう。観て損なしです。
ここだけなら、星5つですね。反復して何度も観てしまう手に汗握るお気に入りシーンです。
ここの特撮は文句なしです。CGもここまできたのだなと、アル意味感慨深かったですね。
思わず、ジュラシックパーク3(こちらも良く出来ていますが.....。)を見直してしまいました。
エンパイヤ・ステートビルの頂上で、繰り広げられる空中決戦も見応えは十分ですし、画面の美しさと超高層を感じさせるカメラ・アングルの迫力も同様に必見のシーンではあると思います。
が、それでさえも3時間は、長過ぎですね。禅寺の修行並みに"耐える"長さになってしまっています。
それでいてシーンのつなぎにも時に違和感を感じるのは残念です。
そして監督の悪趣味をとどめる人が身近にいなかったのは、マイナスだったと思います。
グロテスクな場面が、映画全体の印象をにスポイルしてしまっているからです。
とはいえ、この映画には一見する価値を十二分に秘めているとは感じました。
たとえば"GODZILLA"より立派に成功していたと思います。
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2005年度作品 ★★★ [最高は★五つ]
監督 PETER JACKSON 配給 Universal Pictures