不遜ながらAudiの未来コンセプトモデルカーに興味があり観賞しましたが、正直そうも期待していた映画でありませんでした。
しかしながら、コレは"捨てがたい作品"というのが妥当かも知れませんね。
アイザック・アシモフの原作を称えるべきなのでしょうか?
脚本のソツのない仕上がりも褒めるべきかもしれませんね。
いかにもCGでございという表現もあったりして興醒めな部分もあったりしますが、逆にそれが活かされている場面もあり否定をすることもできません。
例えば都市デザインなど工夫や新鮮みがなく定番的で、いささか残念でした。
しかしながら、特にクライマックスシーンはCGならではこその効果が存分に発揮されていたと思います。
今作のスプーナー刑事演じるウィル・スミスには好感が持てましたね。なかなかの演技力に感心しました。
ブリジット・モイナハン演じるスーザン・カルヴィン博士も知的でロボット心理学者といった雰囲気を良く醸し出して作品のリアル感を盛り上げていると思います。
NS-5 SUNNYのデザインは劇中に合わせての仕様でしょうが、無機質な表情にはウンザリする部分もあります。
量産タイプの設定ゆえキワだった特徴・個性がないのは少々物足りなさもあるのは、いたしかたなしでしょうね。
とりわけスケルトン仕様は、iMacにひっかけて(だからiRobotなの~?)いるのかと冗談抜きに考えたりもしたりしました。
もうちょっと人相ならぬロボット相を良くしてほしかったですね。
個人的には、缶カラ呼ばわりされてたNS-4がNS-5に歯が立たないながらも果敢に立ち向かう姿がなにかイジらしく思えましたね。
ー人とロボットは信頼し合えるか?ー
ブレないテーマの存在が根本からこの映画を支えきった印象が強いですね。
骨格たるポリシーが存在するからこそ、なかなかイイ作品になった気がします。
所詮、人もロボットも不完全である意味では共通でしかないでしょう?
ただ、どちらが優位かをテーマにするSFには、最近ちょっと食傷気味な気はしますね。
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2004年度作品 ★★★ [最高は★五つ]
監督 ALEX PROYAS 配給 20世紀FOX