予想に反して意外と面白かったDARE DEVIL。
一種の超能力者モノではあろうが、ある意味正当派格闘肉体アクションであります。
どこかの国の大統領のごとくやたら"JUSTICE<正義>"と連発して口にする癖のあるヒーローはしかし盲目です。
ロープ状の武器「ビリー・クラブ」を駆使しニューヨークの摩天楼を飛び交い、法の網をくぐる悪党どもに裁きを下す。
超人的な"レーダーセンス"という研ぎすさまれた聴覚が武器だ。
しかし、弾丸の軌跡が音像として感じられるとしても、人間なんだから、かわすのは無理ではと誰もが思うに違いない。
そこは、人並みはずれて鍛え上げているのだから、常識をくつがえして多分可能なのであろう?
その意味で、盲目のヒーローが主人公ゆえ音の造り込みがなかなか凝っていて迫力がある。
音像を楽しむというかDTSで聴くと、映画のひとつの側面としてこういう楽しみ方もあるのかと感心もしました。
聴覚を映像化したような視覚表現もなかなか興味深くそれだけでこの映画の存在が立派に成立する理由にはなるでしょう。
ともすればダークになりがちな話にもユーモアによってこれを回避している点には、好感が持てます。
少年時代を演じる子役の演技にもなかなか惹きつけられました。なかなか達者な演技だと思いましたね。
前半を彼が立派にこなし充分映画を盛り立て大いに貢献しているのではないでしょうか?
DARE DEVIL2に彼の出演シーンがないとすれば、今作より面白くならないかもとさえ思えました。
グリーンマイルで無実の善人を演じていたマイケル・クラーク・ダンカンが180度転身して見事な悪党キングピンを演じています。
コリン・ファレルも、ブルズ・アイとしてこれまでにないいささか笑えるキレた演技を披露しています。
見どころは、結構あったりするのも強みです。アクション映画としてのまとまりはそれなりに結構イイんじゃないかと。
ただ、ラストは続編持ち込みの為ありありで消化不良の感は否めませんが。
Marvellも実に豊富なキャラクターをもっていますね。
しばらくは、スパイダーマンから火がついた原作映画化の波が途絶える事は確かに無いかも知れませんね。
しかし子供がいる公園で格闘するのは、危険だからやめましょうね。
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2003年度作品 ★★★ [最高は★五つ]
監督 MARK STEVEN JOHNSON 配給 20世紀FOX