
トム・クルーズの映画は、トム・クルーズの「***」という仕上がりが大半な気がします。
あぁ··あのトム・クルーズが主演の奴ね。
うーん? 役の名前が思い出せないけれど...。
しかしながら、この映画での主人公は、紛れもなくジャック・ハーパーだったと思えました。トム・クルーズも数々のSF映画に出演していますが、本作はそのなかではNo.1と思います。
どこかで見た様なシーンの繋ぎ会わせみたいな気もする緩いSTORYですが、そうはいっても2時間さしたるダレもなく観終えることはできました。映像美に感じ入るビジュアル・シーン重視の映画ですが、その意味では成功でしょう。
取り分けて、フューチャー・デザインチームには五ツ星を差し上げたい。ボブ乗せ搭乗機、ドローンDシリーズ、天空に設置されたスカイタワー、室内環境デザイン、小道具に至るまでコンセプト・アートのよく練られた秀逸デザインです。最も困難でハードな"現実味ある未来都市群"のデザインなどは避け、敢えて場面を空中と一部限定した崩落した荒野に絞った世界観にしたのも正解でしょう。
改めて思考を持たないプログラムされたマシーンは本当に怖いですね。共存は、ありえないです。キカイダーみたく良心回路のある奴じゃないと...。
ヴィカを演じた女優さんも、いかにも定義化された、どこか不気味なぎこちなさを巧みに表現できていたと思います。
この監督のTRON REGACYもそうでしたが、ところどころ盛り上がる見せ場はつくれるのですが、なにかクライマックスの荘厳さを表現しきれていないのが誠に残念な気がします。
案の定あの"彼"が帰還して、「子供には両親は必要です。」という愛情物語で帰結という理解で、いいのですかね?...
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2013年度作品 ★★★★ [最高は★五つ]
監督 JOSEPH KOSINSKI 配給 TOHO-TOWA