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転生

今年も、庭先に百合が芽生え始めました。

 

想うのですが植物というのは、何かしらの"神秘性"が存在しますね。

 

例えば、花粉を昆虫に受粉させ介入させて、近隣に新たに根付くのは、新たな子孫の拡張という感があります。

風の介入という点では違いますが、タンポポなどは分かり易い例です...。これらの現象なら、自然の摂理という枠内に収められると理解出来ます。

 

でも百合は、毎年同様に同じ場所に同じ姿で生育します。そこに球根があるからといってしまえば、それまでですが...。

 

昔、近くの家の石垣の隙間に、一輪の薔薇が咲いていた時期がありまして、(今で言うなら根性薔薇ですかね?)その薔薇は6月終わり頃から成長を始め、盛夏になるとそれは本当に感嘆する程美しく真紅に咲き誇っていました。しかしながら、遮るものなく真夏の容赦ない日差しを直射で受け、無残にカラカラに干乾びて朽ちてゆくのです。その姿は悲惨であるけれども劇的と思えるものでした。

 

でも、一年が経過し季節が一巡すると何事もなかったように、再び盛夏に見事なまで以前と変わりない姿で一輪美しく咲き誇るのです。

それは「新生」というより、まるっきり同じ光景をそこに映し出すので、「転生」と考えるのが妥当ではないかと感じていました。

 

百合も、複数で同様に4月頃から生育しだしますが、I'll be back!という感じで、そう"We"ではなく"I(アイ)"すなわち"我"なのです。

感じるのは、単体の"意志"なのです。その地、その時に宿るひとつの尊大な"意志"を否応なく感じ取ってしまうのです。

 

さて、植物の強靭さに畏怖するとともに、今年こそ華やかに&一斉に、咲き誇ってほしいと願わざるを得ませんね !!   感謝させてください !