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THE CHRONICLES OF RIDDICK

傑作"PITCH BLACK"の続編ということになる筈です!?

紛れもなく"迷作"でしょう。

 

前作と違い170億円(前作5倍予算)という大予算で制作されたにも関わらず成功していないんですよね、この続編。

当初、私は違う監督による制作なのだろうと大マジメに思っていました。

監督が違えば、"作品が違うのは当たり前"と気にもとめてなかったくらいです。

ところが監督は紛れもなくDAVID TWOHYだったんですね。

残念ながら今回は監督の計算がことごとくハズレている感じがします。

 

まず前作では単なる脱獄囚に過ぎなかったリディックが、フューリア人という種族の最後の生き残りで救世主扱いに転じているのに驚愕してしまいます。

そもそもフューリア人が、なぜ脅威だったのかの説明もないのに呆れてしまいます。(まさか予言だったからとか言うかい!?)

全宇宙を支配せんとするネクラモモンガー?(あ、ネクロモンガーか?)の軍団と只一人対峙するという筋立てが、無理過ぎ、飛躍し過ぎ、子供騙しで現実感が全くありません。

突如スペース・オペラへと舵が180度と切られドラマは余りに壮大になり過ぎ、未消化且つどこか滑稽で焦点が噛み合わなくなってしまった感があります。

大予算がとれて監督自らが、かねてよりやりたいと願っていた夢が叶えられた結果、時に感心する場面もなくはないのですが如何せん盛り込みすぎて散漫になってしまったんでしょうか? 思わせ振りな割には、でてくる役者とかは前作同様なにか地味です。

悪い意味で、陰湿で暗いムードは"デューン・砂漠の惑星"を思い出させます。

衣装や設定美術には確かに凝っています(良く見ればやっぱり凄い。)が、画面の中でいまひとつ見映えがしないというのが適切かと.....。

"STAR WARS"の三番煎じ的な戦闘場面展開も同様です。

 

リディックだけが人的能力を超えてしまっていると、やっぱりシラ~としてしまいます。

ジャックもあの顔、骨組みだったのに、"あんな美人になるかぁ~っ。"てのも見過ごせない部分ですね。

収容所惑星クリマトリアの"灼熱"と"極寒"のコントラストも前回の二番煎じ的要素且つSFではアリガチパターンで新鮮みがないですね。

スタジオにクリマトリアの巨大セットが組まれた事が話題視されますが、言われるまでCGだと思っていました。

存分には生かされていない"仕掛け"だったのではないでしょうか?

 

ナレーションも鬱陶しいですね。映画で描ききれないので補足させていただきますがって感じが段々厭味にも思えてきます。

何もかも唐突で、脈絡が無く理解できない事が多すぎるのは難です。

それを観客に考えて下さいってのは、忌むべき"禁じ手"でしょう。

"CONAN"の如きラストも、もはや"投げだし"ととられてもやむをえずのシーンではないでしょうか?。

一番印象に残ったのが、リディックが"人間ヨーヨー"で窮地から脱出する場面。

けれど、そんなんじゃねぇ~。

 

正直、この"RIDDICK"から観賞していたら、"PITCH BLACK"は観ていませんでしたね。

 

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2004年度作品     ★★ [最高は五つ]

監督 DAVID TWOHY  配給 Universal Pictures